【水無月六月のご挨拶】


三代目尾上辰之助さん襲名となりました五月大歌舞伎
千穐楽をお迎えになり、私もあがらせていただきました。

ご襲名披露の演目となりました「寿曽我対面」にて、尾上辰之助さん演ずる曽我五郎は、実父討ち死にの後、三歳より箱根権現に預けられ成人、兄弟して仇討ちを果たさんとします。

歌舞伎座では、箱根にちなむ演目ということもあり、湯もちを、兄弟揃いの赤縮緬に二引きの着付、蝶が描かれた長裃の誂えにて包みまして、販売させていただきました。

天平年間に創建された箱根権現は、鎌倉古道の存在とともに、多くの歴史舞台となって参りました。

「天下の険」と言われた箱根
その険しき道の往来ゆえに、箱根の人は誠実さをもって、旅人を迎え、もてなし、送り出してきました。

この姿は、今も変わらないものでありたいと願っています。
令和にあっても、道と旅の箱根でございます。


令和8年6月1日
ちもと主人 
杉山隆寛